口臭が糖尿病のサインになるのはどんな場合?

口臭が糖尿病のサインになるのはどんな場合?

口臭が糖尿病のサインになるのは、甘酸っぱい・果物のようなにおいがあり、高血糖の症状や体調不良を伴う場合です。これは、糖尿病によって体内でケトン体が増え、呼気にアセトンが混じる「ケトン臭」の可能性があります。

ただし、口臭だけで糖尿病とは判断できません。糖尿病とは関係のない口腔内の病気や、食事制限による ketosis(ケトーシス)でも似たにおいが出ることがあります。

糖尿病を疑う口臭は「甘酸っぱい・果物のようなにおい」

糖尿病でインスリンが不足すると、ブドウ糖をエネルギーとして使いにくくなります。その代わりに脂肪が分解され、ケトン体が増えると、呼気が除光液や熟した果物のようなにおいになることがあります。

この状態に加えて、次の症状がある場合は、血糖値が高くなっている可能性があります。

  • 水分を飲んでも強く喉が渇く
  • 尿の回数や量が増える
  • 急に体重が減る
  • 強い疲れやだるさがある
  • 吐き気、嘔吐、腹痛がある
  • 息が深く速くなる
  • 意識がぼんやりする

口臭と一緒に体調不良があるときは救急受診を

甘酸っぱい口臭に、吐き気・嘔吐、腹痛、深く速い呼吸、強い脱力感、意識の変化などが加わっている場合は、糖尿病性ケトアシドーシスの可能性があるため、すぐに医療機関へ連絡してください。糖尿病性ケトアシドーシスは、血液中のケトン体が増えて酸性に傾く、緊急性のある状態です。

意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応が悪い、呼吸が明らかに苦しいといった場合は、本人に無理に飲食させず、救急車を要請します。自宅に血糖測定器や尿・血中ケトン測定器があっても、測定結果を待って受診を遅らせないでください。

口臭だけでは糖尿病のサインとは限らない

一般的な口臭の多くは、舌の汚れ、歯周病、むし歯、口の乾燥、喫煙などが原因です。糖尿病がある人では、口が乾きやすくなったり、歯周病が悪化したりして、ケトン臭ではない口臭が生じることもあります。

口臭の特徴 考えられる原因の例 判断の目安
甘酸っぱい、果物や除光液のようなにおい ケトン体の増加など 高血糖の症状や吐き気などがあれば、緊急性を考える
腐敗したようなにおい、強い歯ぐきのにおい 歯周病、むし歯、舌の汚れなど 歯科で口の中を確認する
起床時や口が乾いたときに強いにおい 唾液の減少、口呼吸、脱水など 続く場合は歯科や医療機関に相談する

なお、糖質制限や長時間の空腹でも、体が脂肪を使うことでケトン臭が出る場合があります。そのため、甘酸っぱい口臭があっても、糖尿病だけが原因とは限りません。

糖尿病かどうかは口臭ではなく検査で確認する

糖尿病の有無は、血糖値やHbA1c(過去1〜2か月程度の血糖状態を反映する検査)などで判断します。口臭が数日以上続く、強い喉の渇きや尿の増加がある、健康診断で血糖値を指摘されたという場合は、内科や糖尿病内科を受診してください。

すでに糖尿病と診断されている人は、自己判断でインスリンや薬を中止せず、主治医の指示に従ってください。発熱、感染症、食事が取れない状態などをきっかけに血糖値やケトン体が大きく変化することもあります。

口臭から糖尿病を考えるときの判断

  • 甘酸っぱい口臭だけ:糖尿病とは断定できない。食事内容や口の状態なども確認する。
  • 甘酸っぱい口臭と、喉の渇き・多尿・体重減少:早めに内科で血糖値を調べる。
  • 甘酸っぱい口臭と、嘔吐・腹痛・深く速い呼吸・意識の変化:糖尿病性ケトアシドーシスの可能性があるため、救急受診を優先する。
  • 腐敗臭や歯ぐきからの出血がある:糖尿病の有無にかかわらず、歯科で確認する。

口臭は糖尿病の診断材料ではありませんが、甘酸っぱいにおいに高血糖の症状や体調不良が重なる場合は注意が必要です。まず、嘔吐や意識の変化など緊急症状がないかを確認し、症状がなければ内科で血糖値を、口の中に問題がありそうなら歯科で調べてもらいましょう。