親知らずは、口臭の原因になることがあります。特に、斜めや横向きに生えている、歯ぐきが一部かぶっている、手前の歯との間に食べ物が詰まる場合は、細菌や汚れがたまりやすくなります。ただし、口臭の原因が必ず親知らずとは限らず、舌の汚れや歯周病、口の乾燥などが関係していることもあります。
親知らずが口臭の原因になる主な理由
親知らず周辺に汚れや細菌がたまり、炎症やむし歯が起こると、においの原因となる物質が発生しやすくなります。
歯ぐきのすき間に食べ物が詰まる
親知らずがまっすぐ生えていなかったり、歯ぐきが一部を覆っていたりすると、歯と歯ぐきの間に食べ物が残りやすくなります。奥歯は見えにくく、歯ブラシも届きにくいため、残った汚れが細菌によって分解され、口臭につながることがあります。
親知らずの周囲で炎症が起こる
親知らずの周囲の歯ぐきに起こる炎症を、智歯周囲炎(ちししゅういえん)といいます。歯ぐきの腫れや痛み、出血、膿のような液体、口の開けにくさを伴うことがあり、膿や炎症によるにおいを感じる場合があります。
親知らずや手前の歯がむし歯になる
親知らずと手前の歯の間は清掃しにくく、むし歯が進みやすい場所です。むし歯そのものや、むし歯の穴に詰まった食べ物が口臭の原因になることがあります。
親知らずの周辺に歯周病が起こる
歯ぐきの境目にプラークがたまると、親知らずの周囲でも歯周病が進むことがあります。歯ぐきからの出血や膿、口の中の粘つきがある場合は、口臭だけでなく歯ぐきの状態も確認が必要です。
親知らずが原因か判断する手がかり
親知らずが原因と考えやすいのは、口臭と同じ時期に、親知らずの周辺に次のような変化がある場合です。
- 親知らずの周りだけ食べ物が詰まりやすい
- 奥の歯ぐきが腫れている、赤くなっている
- 歯ぐきを押すと出血や膿が出る
- 親知らずや手前の歯に痛み、しみる感じがある
- 口を開けにくい、飲み込みにくい
- 片側の奥歯から特に強いにおいがする
これらがあれば親知らずが関係している可能性はありますが、症状だけで原因を断定することはできません。歯科医院では、口の中の確認やレントゲン検査などを行い、親知らずの向き、むし歯、炎症の有無を確認します。
親知らずが原因の口臭への対処法
痛みや腫れがない場合は、親知らず周辺を清潔に保つことが基本です。ただし、炎症が疑われるときは無理に触らず、歯科医院で診てもらうことが優先です。
- 奥歯の周囲をやさしく磨く
小さめの歯ブラシやワンタフトブラシを使い、親知らずの周囲と手前の歯との境目を清掃します。出血や痛みが強い場合は、力を入れて磨かないでください。 - 歯間の汚れを取り除く
歯間ブラシやデンタルフロスを使える場所では、歯と歯の間の食べ物やプラークを取り除きます。器具が入りにくい場所を無理に動かすと、歯ぐきを傷つけることがあります。 - 舌の表面も確認する
舌に白っぽい汚れが付いている場合は、舌ブラシなどで強くこすらず、奥から手前へやさしく清掃します。 - 水分をとり、口の乾燥を避ける
口が乾くと細菌が増えやすくなります。こまめに水分をとり、口呼吸や喫煙など、口の乾燥につながる習慣も見直します。 - 歯科医院で原因を確認する
口臭が続く、親知らず周辺に痛みや腫れがある、清掃しても改善しない場合は、歯科医院を受診します。
市販の洗口液は一時的ににおいを抑える助けになりますが、親知らずの周囲にたまった汚れや、むし歯、炎症そのものを治すものではありません。洗口液だけで様子を見続けないことが大切です。
親知らずは抜けば口臭がなくなる?
親知らずの周囲に汚れや炎症が繰り返し起こり、そこが口臭の原因になっている場合は、抜歯によって原因を取り除けることがあります。一方で、親知らずを抜けば必ず口臭がなくなるとは限りません。
口臭の原因が歯周病、舌の汚れ、口の乾燥、むし歯などにもある場合は、親知らずを抜いた後もにおいが残ることがあります。抜歯が必要かどうかは、親知らずの生え方、周囲の炎症、手前の歯への影響、清掃のしやすさなどを歯科医師が確認して判断します。
早めに歯科医院を受診したほうがよい症状
次の症状がある場合は、口臭の対処だけで済ませず、できるだけ早く歯科医院に相談してください。
- 親知らずの周りが腫れている、強く痛む
- 膿のような液体や強い悪臭がある
- 発熱がある
- 口が開けにくい、飲み込みにくい
- 頬や首まで腫れてきた
- 痛みや口臭が何度も繰り返す
腫れが顔や首に広がる、息苦しさがある、飲み込みが難しいといった場合は、感染が広がっている可能性もあるため、通常の予約を待たずに医療機関へ相談してください。
親知らず以外に考えられる口臭の原因
親知らずに異常が見つからない場合は、次のような原因も考えられます。
- 舌に付着した舌苔(ぜったい)
- 歯周病やほかの歯のむし歯
- 唾液が減ることによる口の乾燥
- 喫煙や飲食物による一時的なにおい
- 鼻やのどの病気など、口以外の問題
口臭が長く続く場合は、まず歯科医院で歯と歯ぐき、舌、親知らずを確認してもらうと、原因を絞り込みやすくなります。
親知らずは、汚れのたまりやすさや歯ぐきの炎症によって口臭の原因になることがあります。奥の歯ぐきの腫れや痛み、膿、食べ物の詰まりがあるなら、無理な清掃や洗口液だけで済ませず、歯科医院で親知らずの状態を確認してください。







