乳幼児の口臭と口腔ケアには関係があります。口の中に残った母乳・ミルクや食べかす、歯垢(しこう)、歯ぐきの炎症などが口臭の原因になることがあり、年齢に合ったケアで軽くなる場合があります。
ただし、口臭が続くからといって原因がすべて口の汚れとは限りません。鼻づまりによる口呼吸、口の乾燥、むし歯、鼻やのどの病気なども考えられるため、においの続き方やほかの症状も確認します。
乳幼児の口臭に口腔ケアが関係する理由
口腔ケアによって、口の中に残った汚れや細菌の増加を抑えられるためです。特に、歯が生え始めた後は、歯の表面や歯と歯ぐきの境目に歯垢がたまりやすくなります。
歯垢に含まれる細菌が、食べ物の成分などを分解すると、においのもとになる物質が生じます。そのため、歯みがきや口の中を清潔に保つ習慣は、口臭だけでなくむし歯や歯ぐきの炎症の予防にもつながります。
一方、歯がまだ生えていない乳児では、口臭の原因が歯垢とは限りません。授乳後のミルクの残り、舌の表面の汚れ、口の乾燥、鼻づまりなどが関係することがあります。
年齢に応じた口臭対策と口腔ケア
歯が生える前は、口の中を強くこすらない
歯が生える前は、毎回無理に口の中をこする必要はありません。授乳や食事の後に、清潔なガーゼや柔らかい布を使って、口の周りや見える範囲をやさしく拭く方法があります。
口の中に指を入れる場合は、手を洗い、赤ちゃんがかまないよう注意してください。嫌がるときに無理に続けると、口腔ケアを嫌がる原因になるため、機嫌のよい時間に短時間で行います。
歯が生え始めたら、歯ブラシに慣れさせる
最初は、子ども用の柔らかい歯ブラシで歯に触れることから始めます。歯の本数が少ない時期でも、歯の表面と歯ぐきの境目をやさしくみがくことが大切です。
自分で歯ブラシを持ちたがる場合でも、転倒すると口を傷つける危険があります。持たせるときは座った状態で見守り、仕上げみがきは保護者が行ってください。
離乳食が進んだら、食後のケアを習慣にする
食後に歯みがきを行うと、歯垢や食べかすが残りにくくなります。毎食後が難しい場合は、まず就寝前の仕上げみがきを優先します。
寝ている間は唾液の量が減り、口の中の汚れが残りやすくなります。寝る前に歯をきれいにする習慣は、口臭とむし歯の両方を考えるうえで重要です。
フッ化物配合歯みがき剤を使う場合は、子どもの年齢や製品の表示、地域の歯科保健指導に従ってください。大人用の歯みがき剤を自己判断で使ったり、子どもが大量に飲み込んだりしないよう注意します。
口臭があるときに確認したい原因
口臭の原因を考えるときは、においだけでなく、口や鼻の状態も見ます。次のような点を確認してください。
- 歯や歯ぐきに食べかす、白い汚れ、黄色っぽい汚れがないか
- 歯ぐきが赤く腫れていないか、出血していないか
- 歯に白い斑点、茶色や黒っぽい部分、穴がないか
- 鼻づまりや鼻水が続き、口を開けて呼吸していないか
- 発熱、せき、のどの痛み、食欲低下などがないか
- 口の中の乾燥が強くないか
- 口臭が一時的か、毎日続いているか
口の中の汚れが原因であれば、食後や就寝前のケアでにおいが弱くなることがあります。ケアをしても改善しない場合や、においが強くなっている場合は、口の中以外の原因も含めて確認が必要です。
口臭が続くときは歯科医院や小児科に相談する
乳幼児の口臭が数日から長期間続く、歯みがきをしても変わらない、歯や歯ぐきに異常がある場合は、小児歯科や歯科医院に相談します。むし歯や歯肉炎など、家庭では判断しにくい原因を確認できます。
鼻づまりや鼻水、発熱、せき、のどの症状などが目立つ場合は、小児科や耳鼻咽喉科への相談が適することがあります。口臭だけで病気を断定することはできないため、症状の経過と一緒に伝えてください。
特に、呼吸が苦しそう、ぐったりしている、水分が取れない、急に強いにおいが出た、片側だけ鼻水が続くといった場合は、早めに医療機関へ相談してください。
乳幼児の口臭対策で避けたいこと
- 大人用の洗口液を子どもに使わせる
- 舌や歯ぐきを強い力でこする
- 口臭を隠すために香料の強い製品を使う
- 歯みがきを嫌がる子どもを押さえつけて長時間続ける
- 口臭だけで病気やむし歯の有無を決めつける
洗口液や口臭対策用品は、乳幼児には成分や誤飲の危険があります。使う場合は、対象年齢と使用方法を確認し、必要に応じて歯科医師や歯科衛生士に相談してください。
乳幼児の口臭と口腔ケアの関係まとめ
乳幼児の口臭は、母乳・ミルクや食べかす、歯垢、口の乾燥などが関係することがあり、年齢に合った口腔ケアで改善する場合があります。歯が生える前はやさしく拭き、歯が生えた後は仕上げみがきを習慣にすることが基本です。
ただし、口臭が続く、歯や歯ぐきに異常がある、鼻や全身の症状を伴う場合は、口腔ケアだけで様子を見続けないでください。まずは口の中を確認し、必要に応じて小児歯科や小児科へ相談しましょう。







