口臭と後鼻漏が同時にある場合、鼻や副鼻腔の炎症で増えた鼻水がのどに流れ、口呼吸や口の乾燥を起こしている可能性があります。ただし、口臭の原因はむし歯や歯周病、舌の汚れ、胃腸の病気以外の全身的な要因などもあるため、後鼻漏だけが原因とは限りません。
口臭と後鼻漏が起こる主な原因
後鼻漏とは、鼻水が前ではなく、鼻の奥からのどへ流れる状態です。鼻水が多い、粘り気がある、のどに異物感がある、せきやたん払いが続くといった症状を伴うことがあります。
副鼻腔炎(蓄膿症)
副鼻腔炎は、鼻の周囲にある副鼻腔という空洞に炎症が起こる病気です。鼻づまりや黄色・緑色の鼻水、顔の重さ、嗅覚の低下などに加えて、後鼻漏や口臭が現れることがあります。
炎症による鼻水がのどへ流れたり、鼻や副鼻腔の分泌物に細菌が増えたりすることで、においを感じる場合があります。症状が長引く場合や、鼻水に強いにおいがある場合は、耳鼻咽喉科での確認が必要です。
アレルギー性鼻炎
花粉やハウスダストなどによるアレルギー性鼻炎では、透明でさらさらした鼻水、くしゃみ、鼻づまりが起こり、後鼻漏につながることがあります。
鼻づまりで口呼吸になると、口の中が乾燥しやすくなります。唾液が減ると、口の中の汚れや細菌が洗い流されにくくなり、口臭が強くなることがあります。
かぜや慢性的な鼻の炎症
かぜのときは鼻水がのどへ流れやすくなり、口呼吸やたんの増加によって、一時的に口臭を感じることがあります。通常は体調の回復とともに改善しますが、鼻づまりや後鼻漏が長く続く場合は、かぜ以外の鼻炎や副鼻腔炎が隠れている可能性があります。
口の中の病気
口臭の原因として特に多いのは、歯周病、むし歯、舌の表面に付着する舌苔(ぜったい)などです。後鼻漏があっても、口臭の主な原因は口の中にあることがあります。
歯ぐきから血が出る、歯ぐきが腫れている、歯がしみる、舌に白っぽい汚れが厚く付いている場合は、歯科で確認しましょう。
後鼻漏が口臭につながる仕組み
後鼻漏があると、鼻水や分泌物がのどの奥にたまりやすくなります。分泌物に含まれる成分や、口・のどにいる細菌の働きによって、においを感じることがあります。
また、鼻づまりによる口呼吸は口の乾燥を招きます。乾燥すると唾液による自浄作用が弱まり、舌苔や歯垢が残りやすくなるため、後鼻漏が間接的に口臭を悪化させることがあります。
ただし、これは「後鼻漏があれば必ず口臭が起こる」という意味ではありません。口臭の程度や原因は、鼻の炎症の有無、口の中の状態、唾液の量、喫煙や生活習慣などによって変わります。
原因を見分ける手がかり
| 主な症状 | 考えられる原因 | 受診先の目安 |
|---|---|---|
| 鼻づまり、黄色や緑色の鼻水、顔の重さ、嗅覚低下 | 副鼻腔炎など | 耳鼻咽喉科 |
| くしゃみ、透明な鼻水、季節による悪化 | アレルギー性鼻炎など | 耳鼻咽喉科 |
| 歯ぐきの腫れ・出血、歯の痛み、舌の汚れ | 歯周病、むし歯、舌苔など | 歯科 |
| 口の乾燥、口呼吸、起床時に強い口臭 | 鼻づまり、唾液減少、睡眠中の口呼吸など | 耳鼻咽喉科または歯科 |
| 胸やけ、酸っぱいものが上がる感じ | 胃食道逆流症など | 内科など |
症状だけで原因を確定することはできません。たとえば、黄色い鼻水だけで細菌感染と決めつけることはできず、鼻の中の状態や症状の経過を含めて判断します。
受診するなら耳鼻咽喉科と歯科のどちらが先か
後鼻漏、鼻づまり、においのある鼻水が主な症状なら、まず耳鼻咽喉科が向いています。鼻の中や副鼻腔の状態を確認し、鼻炎や副鼻腔炎などがないか調べてもらえます。
歯ぐきの出血や腫れ、歯の痛み、舌の汚れが目立つなら、歯科を受診します。鼻の症状もある場合は、耳鼻咽喉科と歯科の両方で原因を確認することがあります。
鼻と口の両方に症状がある場合、片方だけを治療しても口臭が残ることがあります。鼻の症状が改善しても口臭が続くなら、口の中の検査も受けると原因を絞りやすくなります。
受診までにできる対処
- 歯みがきに加えて、歯間ブラシやデンタルフロスで歯と歯の間を清掃する
- 舌を強くこすりすぎないようにし、舌の表面の汚れをやさしく清掃する
- こまめに水分をとり、口の乾燥を避ける
- 喫煙や飲酒など、口の乾燥を強める習慣を控える
- 市販の点鼻薬を長期間、自己判断で使い続けない
鼻を強くかみ続けたり、鼻の奥を指や器具で刺激したりするのは避けてください。鼻うがいを行う場合は、製品の説明に従い、水道水をそのまま使わないなど、衛生面の注意が必要です。
早めに受診したほうがよい症状
次の症状がある場合は、放置せず耳鼻咽喉科や歯科などに相談してください。
- 後鼻漏や口臭が数週間以上続いている
- 強い鼻づまりや顔面の痛みがある
- 片側だけの鼻づまりや、血の混じった鼻水が続く
- 発熱が続いている
- 歯ぐきの腫れや出血、歯の痛みがある
- 飲み込みにくさや息苦しさがある
特に、強い頭痛、目の周囲の腫れ、視力の異常、高熱などがある場合は、早めの医療機関への相談が必要です。
まとめ
口臭と後鼻漏の原因としては、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などの鼻の病気、鼻づまりによる口呼吸と口の乾燥、歯周病や舌苔などの口の中の病気が考えられます。
鼻づまりや粘り気のある鼻水、顔の重さがあれば耳鼻咽喉科、歯ぐきの腫れや出血があれば歯科を最初に受診するのが目安です。後鼻漏と口臭が長引く場合は、鼻と口の両方を確認して原因を分けて考えることが大切です。







