矯正装置を使っているときの口臭対策は、歯ブラシだけでなく、装置の周り・歯と歯の間・舌を清潔にすることが基本です。食べかすや歯垢が装置の周囲に残ると、口臭だけでなく虫歯や歯ぐきの炎症につながることがあります。
ただし、丁寧に清掃しても口臭が続く、歯ぐきから出血する、腫れや痛みがある場合は、矯正歯科や歯科医院で原因を確認してください。
矯正装置で口臭が起こりやすい理由
矯正装置を使うと、装置のすき間やワイヤーの周囲に食べかすや歯垢がたまりやすくなります。歯垢に含まれる細菌が増えると、においの原因となる物質が発生します。
また、装置の違和感や口呼吸によって口の中が乾くと、唾液による自浄作用が弱まり、口臭が強く感じられることがあります。口臭の原因は矯正装置そのものではなく、装置によって清掃が難しくなったことや、口の中の乾燥である場合が多くあります。
矯正装置を使っているときの口臭対策
1. 装置の周囲を細かく磨く
固定式のブラケットやワイヤーを使っている場合は、歯ブラシを歯ぐき側に向けるだけでなく、装置の上側・下側にも当てます。歯ブラシを小さく動かし、ブラケットの周囲に残った歯垢を落としてください。
強い力で磨くと歯ぐきを傷つけたり、装置が外れたりすることがあるため、力を入れすぎないことも大切です。矯正歯科で指示された歯ブラシや磨き方がある場合は、その方法を優先します。
2. 歯間ブラシやデンタルフロスを使う
歯ブラシだけでは、歯と歯の間やワイヤーの下に届きにくいことがあります。歯間ブラシや矯正用のデンタルフロスを使い、歯ブラシが届きにくい場所を清掃します。
- 歯と歯の間には、すき間に合うサイズの歯間ブラシを使う
- ワイヤーの下には、矯正用フロスやフロススレッダーを使う
- 無理に押し込まず、痛みや出血が続く場合は歯科医院に相談する
歯間ブラシは大きすぎると歯ぐきを傷つけることがあります。サイズが分からない場合は、歯科医院で適した大きさを確認してください。
3. 舌の表面をやさしく清掃する
舌の表面に白色や黄白色の付着物がある場合、それが口臭の原因になることがあります。舌ブラシや柔らかい歯ブラシを使い、舌の奥から手前へ軽く動かしてください。
強くこすると舌を傷つけるおそれがあるため、毎回力を入れて磨く必要はありません。舌に痛みや出血がある場合は、使用を中止して歯科医院に相談します。
4. 食後に口の中を確認する
外出先などですぐに歯磨きができないときは、水で口をすすぎ、装置の周囲に食べ物が残っていないか鏡で確認します。可能になったら、歯ブラシや歯間清掃用具で丁寧に清掃してください。
特に、粘りのある食品や繊維質の食品は装置に残りやすいため、食後に確認する習慣をつけると清掃漏れを減らせます。
5. 口の乾燥を防ぐ
口が乾くと口臭を感じやすくなるため、こまめに水分をとり、口呼吸になっていないか確認します。糖分を含まないガムをかめるかどうかは、装置の種類や矯正歯科の指示によって異なるため、自己判断せず確認してください。
アルコールを含む洗口液は、使い方によっては口の乾燥を感じることがあります。洗口液だけで歯垢を落とすことはできないため、歯磨きや歯間清掃の代わりにはしません。
装置の種類によって異なる清掃方法
| 装置の種類 | 口臭対策で注意する点 |
|---|---|
| 固定式のブラケット・ワイヤー | ブラケットの周囲、ワイヤーの下、歯と歯の間を重点的に清掃する |
| マウスピース型の装置 | 取り外して歯を磨き、装置も指示された方法で洗浄する。装着したまま飲食しないよう指示されている場合は守る |
| 取り外し式の装置 | 装置を外して歯を清掃し、装置自体も洗う。洗浄方法は素材によって異なるため、熱湯などを自己判断で使わない |
マウスピースや取り外し式の装置は、歯だけでなく装置の内側にも汚れが残ることがあります。装置の洗浄方法や洗浄剤の使用可否は製品によって異なるため、矯正歯科で案内された方法に従ってください。
口臭が続くときに確認したい原因
清掃しても口臭が続く場合は、次のような原因が隠れている可能性があります。ただし、症状だけで原因を特定することはできません。
- 装置の周囲に歯垢や食べかすが残っている
- 歯肉炎などで歯ぐきが腫れている
- 虫歯や装置の破損がある
- 口の乾燥が強い
- 舌の汚れがたまっている
- 鼻やのどの不調など、口の中以外に原因がある
歯ぐきの腫れ、出血、膿のようなもの、歯の痛み、強い口臭がある場合は、次回の矯正診療を待たずに矯正歯科または歯科医院へ相談してください。装置の周囲に虫歯や炎症がないか、専門的な確認が必要です。
毎日の口臭対策で行う順番
- 食後に水ですすぎ、装置の周囲に食べ物が残っていないか確認する。
- 歯ブラシで歯の表面、歯ぐきとの境目、装置の上下を磨く。
- 歯間ブラシや矯正用フロスで、歯と歯の間やワイヤーの下を清掃する。
- 必要に応じて舌の表面をやさしく清掃する。
- 装置を外せるタイプは、歯を磨いた後に装置も指示どおり洗浄する。
- 口臭や出血などの症状が続く場合は、歯科医院で原因を確認する。
矯正中の口臭対策では、香りで一時的に隠すよりも、汚れが残りやすい場所を毎日清掃することが重要です。まずは歯ブラシに加えて歯間清掃用具を使い、正しい方法や道具のサイズが分からなければ矯正歯科で確認してください。







