口臭の原因として扁桃腺が関係する場合、主に扁桃腺のくぼみにたまる「膿栓(のうせん)」や「扁桃結石」、扁桃腺の炎症が考えられます。白色や黄色のかたまり、のどの違和感、口の中でつぶれたようなにおいがある場合は、扁桃腺が原因の可能性があります。
ただし、口臭は舌の汚れ、歯周病、むし歯、口の乾燥、鼻や胃腸の病気などでも起こります。扁桃腺に白いものが見えるだけで、口臭の原因と断定はできません。
口臭の原因になりやすい扁桃腺の状態
膿栓・扁桃結石がたまっている
膿栓は、扁桃腺の表面にあるくぼみに、食べかすや粘液、細菌などがたまってできる白色または黄色っぽいかたまりです。膿栓が固くなったものは、扁桃結石と呼ばれることがあります。
膿栓そのものが強いにおいを発することがあり、次のような症状を伴う場合があります。
- 口臭が気になる
- のどに何かついているように感じる
- 白色や黄色の小さなかたまりが見える
- せきやくしゃみをしたときに、かたまりが出る
- 口の中に苦みや不快な味を感じる
膿栓は、扁桃腺のくぼみが深い人や、扁桃腺に炎症を起こしやすい人にできることがあります。膿栓が見つかっても、必ず治療が必要とは限りませんが、繰り返す口臭や違和感がある場合は耳鼻咽喉科で相談できます。
扁桃腺が炎症を起こしている
扁桃炎では、扁桃腺の腫れや赤み、白い付着物、のどの痛みなどが見られます。炎症による分泌物や細菌の影響で、一時的に口臭が強くなることがあります。
発熱、強いのどの痛み、飲み込みにくさ、首のリンパ節の腫れなどを伴う場合は、単なる膿栓ではなく、治療が必要な扁桃炎の可能性があります。
扁桃腺のくぼみに汚れがたまりやすい
扁桃腺にはもともと複数のくぼみがあります。くぼみが深いと、食べかすや粘液が残りやすく、細菌が増えてにおいの原因になることがあります。
この状態は、歯みがきだけでは改善しにくい場合があります。一方で、扁桃腺のくぼみがあっても、口臭の原因が必ず扁桃腺とは限りません。舌の表面や歯ぐきの状態も同時に確認する必要があります。
扁桃腺が原因か判断する手がかり
扁桃腺が口臭に関係しているかは、症状の組み合わせから考えます。ただし、以下は判断の手がかりであり、自己判断だけで原因を確定するものではありません。
| 見られる状態 | 考えられること |
|---|---|
| 扁桃腺に白色や黄色の小さなかたまりがある | 膿栓や扁桃結石の可能性 |
| のどの痛み、赤み、腫れ、発熱がある | 扁桃炎などの炎症の可能性 |
| 舌に白い汚れが多い | 舌苔が口臭に関係している可能性 |
| 歯ぐきから出血する、歯が痛む | 歯周病やむし歯の可能性 |
| 口が乾きやすい | 唾液の減少による口臭の可能性 |
| 鼻づまりや鼻水が続く | 鼻や副鼻腔の病気が関係している可能性 |
扁桃腺に白いものがなくても、炎症や分泌物が口臭に影響することはあります。逆に、白いかたまりがあっても、口臭の主な原因が歯周病や舌苔である場合もあります。
扁桃腺の膿栓を自分で取ってもよい?
綿棒や指、器具などで扁桃腺を強くこすったり、押したりするのは避けてください。扁桃腺を傷つけて出血したり、炎症を悪化させたりするおそれがあります。
まずは水分をとり、食後の歯みがきや舌の清掃、うがいなどで口の中を清潔に保ちます。うがいは強く粘膜を刺激するのではなく、口とのどを軽くすすぐ程度にしてください。
膿栓が繰り返しできる、口臭や異物感が続く、自分で見ても判断できない場合は、耳鼻咽喉科を受診すると扁桃腺の状態を確認してもらえます。口臭以外に歯ぐきの出血や歯の痛みがある場合は、歯科での確認も必要です。
早めに耳鼻咽喉科を受診したほうがよい症状
次の症状がある場合は、膿栓だけと考えず、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。
- 発熱や強いのどの痛みがある
- 飲み物や唾液を飲み込みにくい
- 息苦しさがある
- 扁桃腺の腫れが強い
- 片側だけが強く腫れている
- 口が開けにくい
- 口臭やのどの違和感が長く続く
- 白い付着物が何度も現れる
特に、息苦しさや唾液も飲み込めないほどの痛みがある場合は、緊急性のある病気が隠れていることがあります。症状が強いときは、無理に膿栓を取ろうとせず医療機関に相談してください。
扁桃腺が原因と思っても、口の中全体を確認する
口臭の原因を見つけるには、扁桃腺だけでなく、舌、歯、歯ぐき、唾液の量も確認することが大切です。特に歯周病は、痛みがなくても口臭の原因になることがあります。
まずは歯と歯ぐきの状態を歯科で確認し、のどの痛みや扁桃腺の腫れ、膿栓が主な症状なら耳鼻咽喉科を受診する、という分け方が目安です。受診時には、口臭が始まった時期、膿栓の有無、発熱やのどの痛み、繰り返す頻度を伝えると判断に役立ちます。
扁桃腺が口臭の原因になる代表例は、膿栓・扁桃結石と扁桃炎です。ただし、口臭の原因は一つとは限らないため、扁桃腺を傷つけず、症状が続く場合は耳鼻咽喉科や歯科で原因を確認してください。







